ベナレス(ヴァーラーナシー)へ(私がインドに呼ばれた日⑤)
デリーからベナレスへは列車の旅でした。 ベナレスには夜に着きました。夜の目にも大きな街でしたが、駅前は他の都市とさして変わりのないように見えました。 しかし一夜明けて歩くにしたがい、寺院の非常に多い街であると分かってきました。 そしてガート(沐浴場)へと歩いて行きました。 人混みの中を掻き分け、巨大なガートを歩いていくと、(後で分かったことですが)死ぬためにインド中から集まってきた修行者たちが道端にあちらこちらに横たわっており、その前の地面には、多くの巡礼者がお金を置いていくのです。 話に聞くと、修行者が亡くなった後に、奇特な人が前にあるお金を集めて、葬儀費用に充て荼毘に伏し、ガンガー(ガンジス川)へと流すとの事でした。 ガンガーのほとりからと見渡すと、ガンガーの中にある島からいく筋もの煙が上がっており、船着場に横付けされたトラックからは、その都度棺桶が下ろされ、船に乗せられてその島に運ばれていました。それは死体を焼いている煙でした。一方では巡礼者たちが、次々と冷たい水の中に入り、身体を清めている横で、それは行われていました。荼毘に伏すことの出来