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何事も100%は無いが、怪我をする必要は無い。

 本日、スポーツ報知の記事にて、片岡鶴太郎氏が半月板の損傷をしたとの記事を見つけました。



 鶴太郎さんは今やヨーガの親善大使の役目も努めてらっしゃいますので、ちょっと・・・いや、かなり残念なのですが汗汗

日常生活や食生活なども含めてかなり、かなり!ストイックに追い込んでいたようですので、様々な要因が絡んでお怪我をされてしまったのだと思います。


 怪我、というものは身体を動かすうえで、完全に防ぐというのは不可能に近いです。

しかし、「動かさないこと」での弊害も大きいのも事実・・・

今日は怪我をしにくいヨーガのレッスンの心がけについて書こうと思います。


 ヨーガをやる上で良く問題になるのは怪我との関係です。ヨーガにおける有害事象というのは実は全国各地で報告されており、「ふりこ」では現在、教室内での有害事象を起こしたことはありませんが、「人間が身体を動かす」という行為から、完全に怪我を避けるのは非常に難しいと感じています。しかし最小限に減らすことは出来るのでは無いかと、いくつか気を付けていることがありますので、ご家庭でご自分でヨーガを行う際も、気を付けていただければと思います。


安定性の無い場所でのヨーガは推奨できません、このような補助具?を使うことでご自分の力以上の負担がかかる可能性があります。

 ふりこでは、基本的に生徒さんの身体に触れて位置を調整したり、プロップなどの補助用の付属品を使いません

それは、ヨーガが自分ひとりの心身の中から生まれるものであり、今のご自分の限界点を肯定的に確認して欲しい、という事があります。他のものがそれを引き延ばしたり、縮める必要は無いと思います。

ヨーガは自分を知るツールであり、特定のポーズが出来るか否かは全く副次的なものでしかありません。もちろん達成感という意味で、新たなアーサナ(ポーズ)への取り組みはヨーガを続けるモチベーションとしても大切です。しかし、アーサナへの取り組みは、「そこへ向かおうとする意志」が大切なのであり、そのアーサナのいわゆる「正解」が出来るか否かは殆ど関係ないと言っても差し支えありません。それは時間と経験により、ご自分ペースでゆっくりと解決していけばいいのです。現段階で出来ないアーサナを無理して行う必要は全くありません。他の方法があります。


 「無理をしない」という事は、向上心がある方や、ヨーガの効果を実感し始めた方にとって、実はとても難しい課題です。しかしとても重要な課題です。身体の柔軟性が増し、出来なかった事が出来はじめ、心身が快活になることでの達成感は非常に大きく、人によっては「もっと頑張ればもっと大きな効果が得られるのでは」と気持ちがはやります。また、少し怠れば何か得たものを失ってしまうのではないか、と感じられる方もおられるでしょう。

しかし、これは古典ヨーガにおける禁戒(やってはいけないこと)の一つとされる、「アパリグラハ( Aparigraha /無所有)」という観点からしても所有することに対する執着とみなされ、あまり良い事ではありません。

痛みがあれば休む、疲れがあれば休む。これもヨーガの重要なレッスンです。


 ご自分の心身の声を一番身近に聞くことのが出来るのは、本来はご自身でしかありません。しかし無理をすることが癖になっていたり、苦しみに対して鈍感な方もおられます。(失体感症(アレキシソミア)、失感情症(アレキシサイミア)と言われます)

これらの失った感覚感情に対しても、肉体への刺激や心の声を観察し続けることで、疲れや苦しみを出来るだけ正しく把握し、客観的に受け入れ対応する力を養うこと目指すのも、ヨーガの要素になります。


 ふりこの少人数クラスでは、難易度の高いもの、関節に強い負荷のかかるものは出来るだけカリキュラムから省いています。難易度の高いものが健康に対しても余計に良いか、というとイコールでは無いどころか、そうでは無い場合の方が多いからです。

(難易度の高いアーサナによる「苦行」に関しては健康よりも、趣味の領域です!そういう意味では鶴太郎さんの行為とその結果も否定はできませんが・・・)


 それでも個人差により負担に感じる場合は、出来るだけ「真剣に適当」を行って下さい!無理をするよりはその間、休んでいただいた方が良いのです。

個人レッスンでは状態をお聞きしながら、負担が大きい場合はそのアーサナを中止して他のものに変更いたします。

アーサナへの取り組みは、心の声を聞くレッスンでもあります。(聴聞= シュラヴァナ/マナナ=熟考と言われます。


 教室以外の場所で万が一怪我をされたり、痛みがある、具合が悪い場合はレッスンを休みましょう。ヨーガは急性の症状に対してでは無く、予防と予後の回復期間にこそ効果を発揮します。症状の軽い場合は、痛みの無いものをチョイスして簡単に行うか、もしくは呼吸法や瞑想法に集中してみましょう。慢性の心身症状に対しては、ある程度時間をかけた焦らない取り組みが大事です。慢性症状や回復期間においては、無理のない範囲で動かすことは、とても良いことも多いです。


 レッスン中に何か違和感を感じた場合は、ぜひ気兼ねなく申告して下さい。

心身の声を大事にしながら、一緒に怪我の無いレッスンをおこなっていければ、やはりヨーガはとても楽しいものですよ(^^♪


朱音


#怪我 #有害事象 #片岡鶴太郎 #無理をしない #無所有

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